算数はどこでつまずくか
2019年09月28日
小学校に入学して比較的順調に学習を理解していたお子さんがつまずき始める内容があります。
その1つが「およその数」です。
ある大手学習塾で中学受験クラスの算数を指導していた頃、なかなか理解してもらえずに苦戦したのが、この「およその数」です。
「およその数」とは、
32459という数がある場合に、百の位を四捨五入にして上から2桁のがい数にしないといった問題です。
ここでは百の位は「4」ですから、答えは「32000」となります。
この場合は、百の位と四捨五入の意味が分かればできるのですが、例えば、
32459を四捨五入して上から2桁のがい数にしなさいとなると、どこを四捨五入していい分からずに戸惑います。
実はこれも答えはさっきの問題と同じで「32000」となるのです。
このように「およその数」は数学で学習するに必要な抽象的な思考を学習し始める大事な学習テーマなのです。
算数においては、具体的な数をもとに考えて計算していくことが多いのですが、数学はxやyといった抽象的な文字を使って数量関係などを表して計算していきます。
そのため、抽象的な思考ができるようにすることが必要になってきます。
小学生においては抽象的な思考をする経験が不足していますから、この抽象的な思考は苦手とします。
ですから、「およその数」を苦手とするお子さんの場合、家族で買い物に行く際に
「358円の弁当があるけど上から2桁のがい数にしてみて」とか、
「128900円のテレビがあるけど千の位を四捨五入して上から2桁のがい数にしてみて」
といったように家族で取り組んでみてはどうでしょうか。
「およその数」を学習する材料は身近な所にたくさんありますよ。